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よく質問される10のこと

いつも展示会などでお声をかけてくださりありがとうございます。
その際よく質問されることをこちらにまとめてみました。


Q1.どんな道具で制作していますか?

A1.ペンは日本メーカーのサクラクレパス ピグマで描いています。水性ペンですが耐水性、耐光性があります。主に0.5~0.03までの細さを使用しています。
支持体はパネルに和紙を張ったものとパネルにジェッソを塗って磨いたものを使用しています。和紙を選んだ理由は、掠れなどの表現のしやすさや、強い筆圧で描いたときに紙がへこむのが好きだからです。また紙自体に揺らぎのある所も気に入っています。逆にジェッソははっきりとした主張の強い表現が気に入っています。
色付きの時はアクリル絵の具を使用しています。


Q2.製作時間はどれくらいですか?

A2.構想や下描きにとても時間をかけてしまうので、F4~F8サイズだと1か月くらい同じ作品と向かい合っています。100号サイズだと3~4か月かかってしまいました。


Q3.ペンでの制作を選んだ理由は?白黒の理由は?

A3.細かい表現が好きでそれができるからです。がりがりとした描き心地、線でこつこつ積み重ねていく過程も好きです。
白黒なのは心の闇や暗さ、夜の妖しさを表現したいからです。また、描かれている物の色は見ている人の記憶やトラウマに基づいた色であってほしい、個人に委ねたい、という思いからでもあります。


Q4.絵をいつから描いていますか?ペン画はいつから制作していますか?

A4.小さな頃から絵が好きで5歳くらいから絵画教室に通っていました。初めてしっかり描いたペン画は中学3年生の美術の授業です。今の作風に近いものを描いて怒られるかな…と思っていたのですが先生に褒められ、こういう絵を描いてもいいのだと嬉しかったのを覚えています。
大学の課題は油絵で制作していましたが、それ以外はペンで描いていました。卒業制作もペンで制作し、そこからずっとペン画です。


Q5.好きな作家は?

A5.山本タカト、智内兄助、ヴァーニャ・ズーラヴィロフ、シュヴァンク・マイエル、ビアズリー、ミュシャなど。


Q6.どこから絵のインスピレーションを得ますか?

A6.思春期の頃の嫌悪感、社会への疑問、童話や昔話、日本の風習、宗教観、コンプレックス、トラウマや恐怖感、フェチズム、性と死、などの負の感情から制作しています。


Q7.絵の中の女の子はあなたですか?

A7.違います。同じ悩みを持った少女、理想の女性、身代わり、のようなものです。よく作家が自分の絵のことを自分の子供と表現しますが、私はあまりそういうふうには考えません。そんな可哀そうなものは存在せず、基本、他人です。


Q8.なぜ女の子を描くのですか?

A8.色んな考えや感情が多く生まれる不安定で面白い時期だからだと思います。女の子の外見の可愛らしさや美しさよりも、内面のドロドロした感情やめんどくさくてわがままなところ、無知で無駄にピュアなところ惹かれます。
男の子もたまに出てきますが、彼らは女の子を傷つけることのない、都合のいい理想の姿で、性器を持たない人形のようなものです。


Q9.動物や虫が出てきますが好きですか?

A9.基本、絵の中の主人公である人間は一人と決めて描いています。
そのため動物はそれ以外の人の象徴として描くことが多いです。鼠…弱いもの、兎…召使、犬…仲間、馬…恋人、猿…嫌な人、キリンや蛸や亀…少女より強いもの、豚…哀れな人、蛇…監視者、というイメージが多いです。
蝶以外の虫は嫌悪感の象徴として描いています。それらの気持ち悪さはどんなに美しい花も、どんなに美味しい食事も一瞬で駄目にしてしまうほど強い存在です。


Q10.蝶が必ず出てきますが意味はありますか?

A10.蝶はこちらの世界と絵の世界をつないでいる存在として描いています。蝶を追いかけて迷い込んでしまった不思議な世界を楽しんでいただけたらと思います。